ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

オペラ「ドン・ジョヴァンニ」・・・和訳のひどさにがっかりです

昨日、池袋まで行き「オペラ」を観てきました。
一番がっかりしたのは、
日本語上演であったという事。
元来、オペラは言語の発生に合わせて
台詞やアリアが作られています。
その中に、「日本語」を押し込むとどのような
弊害をもたらすかという事をく考えないと
作品そのものが、安い芝居になり下がります。
もっと重要なのは、その訳し方です。
訳す人間にボキャブラリーや国語力がないと
幼稚な表現になります。古い言葉を使っているだけで
流れや、情景など日本語本来の美しさや言い回しを
考えるのが「和訳」です。
今回の作品、中学生レベルの力しか感じられない
物になっていました。
王様や伯爵などの文化背景のある物語に
「殿様」という言葉がなぜ出てくるのか、
理解できません。
日本語の台詞についても同様です。
舞台上で発声していますが、言語の台詞以上に
聞き取ることができません。
面白いことに、日本語でしゃべっているのに
舞台上には日本語の字幕が出る始末。
どれほど聞き取りにくいかお判りでしょう。
アリアにしても日本語です。
稚拙な和訳では、
本来の意味を伝えることはできません。
大きなプロジェクトで各地を回っている
みたいですが、基本的な事が抜けているようです。
せっかく素晴らしい歌声なのに、非力な
和訳の為に間の抜けた台詞に聞こえるのは
私だけでしょうか。
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そしてもう一つ気になるのは、オーケストラが
前に出すぎているという事。
これでは、演奏主体の芝居です。
なぜ作る側は、観る側の事を考えない構成を
するのでしょうか。
ピットが浅いほど、歌い手の歌唱は聞こえません。
オペラにおいてオーケストラは縁の下の力持ちです。
今回の演出では、新しい発想でダンサーを舞台に
取り込み作品を仕上げていました。
これはとてもよく舞台を盛り上げていたと思います。
この「和訳」がなければ満点に近いステージでしたが
残念です。
SS席で12,000円でしたが、5,000円でも
高いと思います。
歌い手の苦労はどれほどのものか、これで各地を
廻るのですから大変です。
拍子抜けの作品でした。
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