ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

ZARD・坂井泉水「死までの軌跡」 2 ビーイングの皆様へ

彼女の死因を調べた結果をもとに、ビーイングへ謝罪を要求するために私が送付した手紙です。

ビーイングの皆様へ
音楽葬が済み、追悼ライブやCD発売の準備に追われお忙しいことと思います。
本来なら労いの言葉をお掛けするところですが、今回はお掛けすることはできません。
私は、WEZARDのメンバーとしてZARD FAMILYの一人として、貴方達に、
はっきりと申し伝えたいことがあります。
貴方達は泉水の死の真相をこのまま有耶無耶にするおつもりですか。
あなたたちの行動をみていると、次々と予定を繰り出し、彼女の死に対する疑惑の目を逸らそうとしているのがありありと窺えます。
10年以上彼女を支えてきた私たちが、このまま黙っていると思われますか。
貴方達の最大の思い違いは、彼女を10年以上支えてきた人たちは現在、30歳後半から50歳前半の一般常識を兼ね備えた社会人ということです。
その人達を前にして「不慮の事故」と勝手に報道陣に発表し、マスコミさえも煙に巻こうとした一連の動きはかえって彼女の「自殺」を肯定してしまったのです。ご遺族の密葬という形が決定的なものとなりました。
私は、密葬の翌日、貴方達にWEZARDのサイトからメッセージを送りました。
その時こう書き記しております。「不慮の事故」を信じるファンがいるとおもいますかと。
貴方達はなぜ彼女が自らの命を絶ったかおわかりになりますか。
私は彼女の死後10日間ですべてを調べ上げました。彼女の病状、精神状態、おかれていた環境、そしてあなたたちの責任についてです。
その調査、分析結果をもとに考察をまとめ警視庁四谷警察署鑑識係へ「現場再検証のお願い」として6月11日の日付で書簡を送達いたしました。原稿用紙で約10枚程度のものです。  スタッフの方が報道陣のインタビューに対して彼女と復帰の打ち合わせをしていたという場面を見たとき、貴方達にガンの基礎知識が無いことがはっきりとわかりました。
彼女の肺がんにおけるステージ(病期)はすでにbという段階に入っていました。それは、彼女の治療方法を見れば一目瞭然です。国立がんセンターではがん患者の介護にあたる人のために、できるだけ細かい情報を提供しています。
そこにはがんの種別による治療方法、ステージの判断、生存率とあらゆる情報が網羅されているのです。貴方達が彼女の病気に細心の注意を払っていれば、このことには容易に気がつくはずなのです。医療は現場でも彼女の心のケアは貴方達の責任です。
がんの一年以内の再発がどれほど恐ろしいことか理解できますか。
普通ならば、そのことが死期を早めてしまうことくらいほとんどの人がわかります。彼女の場合、術後9カ月の遠隔転移再発です。子宮から肺への転移だけに止まらないのです。肺から子宮までの間にあるすべての臓器への転移が確実に起こりえるからです。通常のステージbの5年生存率が15%~20%に対して、彼女の場合、生存率を言うよりもその若さとがんの進行の速さから余命1~1年半が限度であったのです。放射線治療によりがん細胞の縮小は確認されていますが、そのがん細胞が小さくなるころにはほかの臓器への転移が発見されるのです。術後9カ月目の遠隔転移再発が、彼女への「死の宣告」であったことにあなたたちは気づかなかったのです。もう私たちに伏せている事態ではなかったのです。「ファンには知らせないでほしい」という言い訳が通用したのは、最初の手術のとき一回限りです。彼女はこのことを完全に把握していました。
唯一、この事態に気が付いていたのは彼女の母親だけでした。その母親が落ち込んでいるのを泉水が励ましていたという話を聞きましたが、貴方達にはこの光景が理解できますか。泉水は母親の前でも「坂井泉水」だったのです。
本当なら母親の胸で「蒲池幸子」に戻って思いっきり泣きたかったのに、そんなこともできないで一人で全てを抱え込んでいったのです。
彼女のラストシングルになった「ハートに火をつけて」は、彼女が母親へ宛てたメッセージです。「君」を「母」に置き換えただけですべてメッセージに変わります。あなたたちの中で一人でも彼女の心理状態を考えてあげられる人がいたなら事態は変わっていたのです。人を愛することと甘やかすことは全く違うことです。愛することとは時には厳しく叱りつけることができることです。彼女は貴方達の誰かが叱ってくれるのを待っていたのです。でもあなたたちにはそれができなかった、彼女を甘やかしてしまっただけなのです。
彼女の行動や言動においてもSOSの信号が発信されていた現実にあなたたちは気づいていましたか。彼女の散歩コースとされていた階段スロープのところで、彼女は母親に「あそこが一番落ち着く場所なの」と言ったといわれていますが、そのことに対して「なぜなの」と問いかけた人はいるのですか。朝の静けさの中、鳥の囀りしか聞こえない空間で人は何を考えるのでしょうか。今、自分のおかれている現実を考え、自分の人生をあらためて見つめ直すのではないでしょうか。そしてスロープに腰掛けるという危険行動、これは「いつ死んでも構わない」という無言の意思表示です。そして最も顕著に表れた現象が、貴方達と行ったというリリースやライブの打ち合わせです。これは明らかな現実逃避です。先を考えることで今を打ち消す危険状態です。あなたたちが適切な状況判断さえしていれば、精神カウンセラーを彼女に就けることさえできたはずなのです。あなたたちはマネジメントという意味が分かっていますか。単なるスケジュール管理ではないのです。ZARD坂井泉水を創り出しそれを売り出したからには、そのすべてを管理する責任があなたたちにはあったのです。それは生活面に対してもです。先ごろ華原朋美が事務所を解雇されたという報道がありましたが、彼女の事務所は彼女のために24時間の監視体制を敷いていました。
これが本当のマネジメント業務の姿です。本当に泉水のことを考えていてくれたなら、ここまでなぜしなかったのですか。
貴方達もご家族も「坂井泉水」の生きざまを受け入れないで全てを済ませようとしてしまいました。泉水が自分で自分の人生にピリオドを打ったのは蒲池幸子に戻りたかったからです。泉水は自分自身で「坂井泉水」を護り通して死んでいったのです。あなたたちはそんな泉水の潔さを受け入れないばかりか、彼女の意志とは反対のことをしてしまったのです。貴方達のしたことは坂井泉水の人生を否定してしまったことです。彼女が坂井泉水の人生を終わらせたのは彼女が選んだ道なのです。なぜこのことを分かってあげないのですか。彼女のご両親が密葬という形をとられたとき、まっ先にそのことを言ってあげることが貴方達の仕事ではなかったのですか。
貴方達は泉水がみんなに送ってくれた言葉 ” みんなZARD FAMILY “という言葉を覚えていますか。彼女が 14年間待ってやっと言えた言葉です。
自分に、スタッフに、そして私たちWEZARDのみんなに、この言葉には彼女の喜びのすべてが詰まっているのです。私は警察へ書簡を送った後、FAMILYの5年後、10年後を考えながら、仲間たちへのメッセージを書いていました。
原稿用紙で60枚ほどの文章です。確かに彼女の死後、昔のメンバーが戻りつつあります。でも3年後には元の数に戻ります、そして5年後には現有の2/3程度に減るでしょう。これが時代の流れです。貴方達はビーイングの10年後を考えて今行動をしているのですか。
あなたたちの考える「人の死」とは「死の尊厳」とはどういうものですか。
あの「音楽葬」は泉水が亡くなった後に行った献花と本質的には全く変わらないものでした。ただ盛大に行われただけでした。あの場所に泉水はいませんでした。なぜ彼女の死後1か月も経っているのに、位牌さえもなかったのですか。
4万人ものファンが集まっていたのに、あれこそは私たちに対する非礼ではないのですか。過去あの青山斎場で4万人ものファンが集まった葬儀に、あの美空ひばりさんがいます。彼女の葬儀には彼女の遺骨が安置されていました、そこには彼女の魂が確かに存在しました。私があの状況をみて感じたのは、貴方達とご家族のあいだに何か確執が生まれたのではないかということです。
確執が存在しなければ、彼女のご両親は位牌をお貸しくださったのではないかということを感じずにはいられませんでした。


2-1へ続く