ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

ZARD・坂井泉水「死までの軌跡」2-1

2の続きです。

今回、私が仲間たちへ送るつもりで作成したメッセージには、当然警察へ送達したメッセージが含まれています。
私が東京第一検察審査会の委員に任命され司法関係の職務に就いた時、初めて司法警察の職務の厳しさ、煩雑さそして検察の機能に身をもって触れることができました。検察審査会とは検察が不起訴にした案件について、その被害者の申し立てを基に再び検察庁へ送り返すかどうかを警察の事件調書を精査し検討議論、決定する機関です。私はこの職務を経験して以来、司法関係者に接するときは最大限の敬意を払うようにしています。今年に入り、昨年、私が刑事告訴した事案が書類送検され検察庁に届きました。結果的には不起訴処分になりましたが、担当検事はわざわざ私を自分の執務室まで呼び、事情を説明してくださいました。一般民間人が検事の執務室に入ることは考えられないことです。これは私一人で行った刑事告訴がいかに大変な作業であるか、そしてわたしが東京第一検察審査会会長であった経歴を考慮された検察庁の最大の敬意の表れであったのです。私は検事と話をしただけで満足でした。
このことを踏まえて、四谷署に書簡を送る時も、決して失礼のないよう文章には注意して送達しました。この書簡を警察に送っても警察が動かないことは最初からわかっていたのです。でも一人でもこの事案に不信を抱く人間がいることを認知して貰いたかったから送ったのです。音楽葬の1週間前に今度は警視庁のルートから四谷署へある質問をしました。そしてその回答が得られたのは音楽葬の翌日でした。四谷署の捜査責任者が直接私のもとへ連絡をくれたのです。2度にわたり四谷署へ私の名前が届いた以上、警察としてもその真剣さを考慮してわざわざ連絡をくれたものだと思いました。
その責任者の話からあるヒントを貰いました。それはあなたたちへの警察からのメッセージです。「警察の鑑識捜査を甘く見ないでほしい」というメッセージです。捜査官はこの言葉を直接喋りません、でもこのことから彼が本当に言いたかったことがわかりました。坂井泉水は転落したといわれている階段スロープの下で発見されたのではありません。その事実は警察の鑑識捜査が立証しました。警察はこの件に関する公式見解の発表はしません。また捜査もしません。なぜなら、事件性がないからです。階段スロープの下で発見されたのではないのなら彼女が倒れていた場所はもう1か所しか残されていません。それはスロープに隣接するバルコニーの真下ということになります。
貴方達が報道関係者に語ったスロープからの転落は、警察の鑑識捜査結果がそれを完全に否定しました。
事故を否定することはできても、それを肯定することはできませんでした。
自殺を肯定できてもそれを否定することはできませんでした。
これが分析をとおして辿り着いた私の結論です。
私が原稿用紙60枚に綴った著書は、一時期ある出版社の目にとまり出版審査までいった文章です。本来なら仲間たちに伝えたい真実です。泉水がどんな寂しさと闘い、どんな恐怖に怯えていたかそして孤独だったかを、それをみんなに知ってほしい文章です。貴方達は愛する人を突然奪われた悲しみと怒りがわかりますか。貴方達が私たちにしたことがまさにこのことです。泉水はファンクラブのメッセージから同じことを2度も発信していました。それは「体調を崩してしまいましたがいまは元気です」これが6月と10月に発信されています。泉水は気づいて欲しかったのです私たちに。自分に何が起こっているのかを。
2005年11月6日午前4時38分・・・これが何のことかおわかりになりますか、
本田美奈子が天国に旅立った時間です。美奈子は私たちにメッセージを残して旅立って行きました。あなたたちは同じ音楽関係者として彼女の命をかけたメッセージをどう受け取ってあげたのですか。「真実を真実として受け止めること。それに立ち向かうこと。そして精一杯生きること。」美奈子が残したメッセージです。私は美奈子の死を乗り越えることができたから、彼女のメッセージを確かに受け取ることができたから泉水の後を追うことができなかったのです。もし美奈子がいなかったら私は間違いなくこの世にいなかったでしょう。それほど泉水の死は言葉にならないくらいの悲しみです。肉親が死んでもここまで悲しんだことはありません。その悲しみを与えたのはあなたたちです。
あなたたちが犯した過ち、泉水に対してしてしまった仕打ち、私たちに対してしてしまった裏切り行為、今一度すべてを振り返り反省し、そしてすべての関係者に謝罪してください。マスコミを通じて全国のファンにそのメッセージを発信してください。泉水の生きざまを受け入れ、彼女の選んだ道を、そして彼女の人生を受け入れてください。今ならまだ間に合います。この手紙を彼女のご両親にお見せください。そして彼女の死を、坂井泉水の死を受け入れるようお話しください。そうしなければいつまでも蒲池幸子に戻れないのです。
私たちの悲しみと怒りが貴方達への憎しみに変わる前に。

    平成19年 7月 22日

   ZARD OFFICIAL FANCLUB WEZARD No.19057



以上が手紙の全文です。