ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

自治体の怠慢が招いた災害・・・熊本震災にみる自覚のなさ

熊本の震災被害を在京キー局が報道していますが、

ただ災害状況を伝えるだけなら、ここまでしつこく伝えることに

ある種の違和感を覚えます。

災害全体を見ても、自然現象によって山が崩れて一部の家屋が

呑まれた程度の現象です。

また、別の地区では築47年のマンションの

1階部分が押しつぶされたり市の庁舎が崩壊寸前の

様相を呈した画像を映しています。

建築関係者として、まず第一に感じたことは

ここの自治体は地震という自然現象をいかに甘く捉えている

ということがうかがい知れます。

耐震補強は自治体が率先して行わなければならない事案です。

ここ何百年、大きな地震がなかったなどと言うことは、

耐震補強をしていない理由になりません。

今回、古民家やお城が崩壊していますが、これは防ぎようが

ありません。

この現象を差し引いたとしても、自治体の怠慢さが浮き彫りに

なっています。

避難する場所や支援体制を訓練などであらかじめ想定していれば

支援物資が届かない避難所が発生するわけはありません。

なにも予測していないから、行き当たりばったりの避難に

なったり、緊急持ち出しの物資が準備されていないのです。

道路が寸断されれば陸路は使えません。

当然、最優先で考えるのが空路になります。

緊急物資が届いても、そこから分散させる手立てを考えて

いないのなら、緊急事態に対応はできません。

災害ネットワークがまったく構築されていないことがわかります。

今回の災害、半分以上は「人災」です。

そう年数の経っていない建築物の1階部分がつぶれてしまった

状況を見ても、東京ではまず考えられない事です。

この震災で亡くなった人の大半は、建物の下敷きか

工作物の倒壊で残りは山崩れです。

山崩れ以外は自治体がしっかりしていれば

半分は防げたことです。

また、すんでいる人たちも地震は来ないものだと思い込んで

いたことが、今のドタバタにつながっています。

避難していればなんとかなると思っている人たち、

この考えそのものが甘すぎる考えです。

災害に対しての準備が全くなされていない。

避難のルールが作られていない。

自治体はただ避難命令を出しているだけ。

東北の時とは全く状況が違います。

ある意味、厳しい言い方をすれば「自業自得」です。

テレビでは専門家が分析をして言いたいことを

言っていますが、こんなことをテレビで放送して

被災者の誰が観ているのでしょうか。

そんなことを分析しているのなら、警戒情報を発信した方が

当事者のためになることぐらいわからないのでしょうか。

熊本県知事がこの災害を「激甚災害」に指定するよう

国に要請したようですが、これが激甚災害ですか。

避難している人たちは、

支援物資が来て当たり前だと考えています。

余力のある人たちは、お店まで行って買い物をしています。

それでも物流が止まっている以上、

辛抱しなければならない事態になるでしょう。

事前の訓練が生きる知恵を授けます。

今の避難状況を見ていても、「生きる」事に対する

執念が全く見受けられません。

東京に住んでいる私は、今回の件を「静観」するにとどめます。