ソロを聴くのは3年ぶりくらいになります。
今月初めのドン・カルロスはオペラとして聴いたので
コンサートとは意味が違います。
せっかく期待していたのですが、ホールの音響効果が
裏目に出てしまいました。
普通のホールは、客席側に向けてハの字に音が
拡散するように設計されています。
しかし、このホールは違いました。
長方形の形で最後尾まで伸び、しかも両側の壁は石張りです。
何を考えてこの内装にしたのか、建築屋として理解できません。
異変に気付いたのは、初っ端に麻衣が歌いだした途端です。
集音マイクでも使っているかのような音の反響。
私の席は、この石張りから1メートルしか離れていない
通路側の席です。
麻衣の声を聴いていると、今までの歌い方を変えたかのような
ビヴラートを強調させたような響きです。
少なくとも、私の知っているオペラのアリアでこのような
歌い方をする曲はありません。
原因はこの石張りです。
麻衣がこちらを向いて声を出したときだけ、
いつもの声に聴こえます。
決して彼女が変えているわけではないのです。
石の跳ね返した音と、後から発声する音が共鳴して
響くような「異音」を発生させているのです。
オーケストラの演奏には全く支障がないのですが、
声楽家の発声には支障がおおありでした。
幾度となく、いろいろなホールで演奏を聴いていますが
こんなに聴きづらいホールは初めてです。
あきらかに音響設計のミスです。
内装材として石を使うことはありますが、
このような形で使うべきではありません。
せっかくのコンサートが台無しです。
往復3時間以上かかって聴きに行きましたが、
徒労に終わってしまいました。
来週は麻季ちゃんとニューフィル千葉のコラボがあって
そのあとは麻衣の「ドン・ジョバンニ」です。