ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

寂しい幕引き・・・現場マンションで・・・

昨日、銀座にあるクラブのマネージャーさんが、

私が現在、足場解体作業を立ち会っている現場マンションにお見えになりました。

工事責任者を交えてお話ししたところ、そのクラブに

お勤めしているホステスさんと2日ばかり連絡がとれない

ため住まいのあるマンションへいらしたとのこと。

普段なら、必ずメールに対して返信をされる方が何も返さず

そればかりか電話に対しても応答がないということ。

マンションのインターホンを鳴らしても応答なし。

現場として出来ることは、足場からバルコニーへ入り

中の状況を探ることぐらいでした。

結果的には、サッシがロックされていてカーテンは

締まっているがエアコンが動いているという事実のみ。

この女性、ペットは飼っていないとのこと。

帰宅したその日の早朝4時に、友人への着信を残したのが

最後でそれ以降連絡がなしという状況。

お話を伺いながら考えたことは、従業員に対する

サポート体制がしっかりしているので、むやみやたらに

居なくなるという事態は考えにくいこと、室内のエアコンは

つけたままカーテンは閉めた状態。

十中八九、室内にいてすでに亡くなられているというのが

私の脳裏をよぎりました。

マンションの管理といっても、共用部分の管理となると

各部屋のマスターキーはありません。

現場サイドとしても親族の了解がない限り

何もすることはできません。

結局、昨日は管理会社経由でその部屋を売買した不動産屋を

探すまでの話しか聞けず今日を迎えました。

朝現場へ行くと、赤色灯をつけたままのパトカーがいて

その後方(現場は一方通行なので建物寄りになります)には

「鍵の救急車」がいて、その後ろに鑑識の車両と覆面パトカー

が1台、そして交番の警察官が乗ってきた自転車が1台ありました。

「やはり亡くなっていたのか」というのが私の第一印象でした。

警察車両の少なさから「事件」ではないことはわかりました。

私も立場上、すぐ現場(げんじょう)へいき、警察に対して

工事をやってもよいかの確認をとりました。

事件ではない以上、了解してくれましたが

遺体の搬送まで3時間弱、現場の前に警察車両は

駐車したままでした。

亡くなられた方の年齢は30歳を超えたくらいだと

マネージャーさんはおっしゃっていましたが、

銀座のクラブ、それも8丁目なら一流どころです。

死因そのものは聞いてはおりませんが、

状況から考えると「自殺」の線はないと思えます。

急性心不全、脳溢血、くも膜下出血などの病気も考えられ

ますが、警察が「事故」判断をしている以上、新聞の

地方版を確認するしかないでしょう。

今回、私の立場上このような場面に遭遇しましたが、

30年近い現場経験上、建物の中からこういった形で

遺体が搬送されたケースは初めてです。


亡くなられた彼女も、今年ライオンを卒業した由希も

ほぼ同年代です。

由希は10月に出産を控えています、亡くなった彼女もまた

銀座という地でこれからの夢を追い求めていたのではと考えると

人の世の儚さというものを痛切に感じます。

心よりご冥福をお祈りいたします。/font>