ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

視聴率稼ぎの副題・・・「今自分たちにできる事」

被災から10日が経過し、ようやく物流関係が動き出し

たのを横目に、依然としてこう着状態の続く福島原発

関係者の方々の命をかけた戦いの中、
 
耳障りな言葉がテレビの中で動いています。

「いま自分たちにできること」・・・言葉の違いこそ多少

ありますが、テレビ朝日日本テレビ、そして今夜の

フジテレビのスマスマ、こんなことをいちいちテレビで

番組化しなければいけないほどの事でしょうか。

ある勘違いした人たちは「歌で元気にする」だとか

まったく時と場所を考えないで、自己満足の押しつけ

めいた事をほざいた人もいましたが、テレビカメラの

前でしか物事を言えず、さも自分は皆さんのために

だとかと平然と言う輩。

本当に目ざわりです。義援金や災害ボランティアなど

目的を持ち、すでに多数行動を起こしている方々を

尻目に、「いま自分たちができること」とは良く言えたものです。

なぜテレビがこのような事まで先導しなければならないのでしょうか。

これは一見何の変哲もない流れのように見えますが

解釈次第では非常に危険な事になります。

テレビ局が意図する方向に、
 
大衆の心理を誘導しかねないからです。

またこのような番組に芸能人を出演させるなど

明らかな視聴率狙いの魂胆が見え隠れしています。

こんなことはテレビの仕事ではありません。

個人個人が信念のもとに行動すればいい事であり

迷っている人は見守っていればいい事です。

芸能界に於いては、
 
お笑い芸人たちがいち早く街頭募金に立ちました。

彼らの中には「今はお笑いで元気づける時ではない」

ときっぱり言い切った人もいました。

よく「がんばってください」と決まり文句なような事を

言う人が居ますが、被災者の方曰く、

「何をがんばるんですか」、とこの言葉がとても

重たく何の励ましにもならないと言っていました。

「頑張る」とは脚を地につけてしっかりとした

目標に向かって進んでいる人にかける言葉であって

住むところもなくなり、未来への不安しかない人には

間違ってもかける言葉ではありません。

テレビカメラの前だけできれいごとを並べるだけの

芸能人に比べ、お笑い芸人たちの行動は、

本当に「自分たちのできる事」を精一杯やっています。

俳優陣も同様に外に向かってメッセージを発進

しています。先日、安室奈美恵が5000万円を

寄付したというニュースを目にしました。

街頭に立てない彼女がした精一杯の行動です。

昨日今日と、農作物に放射線が降り注いだ結果

平常値より多く、出荷見合わせを指示したとかいう

ニュース、これこそ押さえなくてはいけない情報です。

専門家に言わせても、健康には全く影響のない数値、

これを開示したばかりに、余計な波紋を広げてしまいました。

これこそ各省庁が連携していないという現状を

浮き彫りにしてしまったという縮図です。

今回の災害、自民党政権時に原子力に対しての

綿密な対策や緊急時の連携をきちんとした形で

構築していれば、こんなてんやわんやにはならなかったはずです。

菅総理自民党に連携を打診しましたが

谷垣総裁はこれを蹴ったとありました。

自民党公明党だけはもう御免です。

それにしても「みんなの党」を除いた野党は

なぜ手を挙げてこの窮地を乗り切ろうとしないのでしょうか。