ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

福島第一原子力発電所に視る危険の連鎖

昨日の1号機に続き、今日は3号機に異常が出ました。

この状況は先の段階からある程度予測していました。

福島の原子力発電所は、

日立製作所東芝がその製造を行っています。

福島第一の1号機、3号機は日立が、2号機、4号機は

東芝が、福島第二は1,3号機を東芝、2,4号機を日立が

製作にあたっています。

福島第一の1号機(NF-1)に不具合が発生したなら、

3号機(NF-3)に不具合が発生する理論は、

私ならずともカテゴリー違いの技術者の方でも

この理屈はお分かりかと思います。

事態は非常に危険な状態に近づきつつあると言う事になります。

昨日、避難中に被爆された方が3人とか言っていましたが

あれは、サンプリングの結果であって、あそこにいた全員が

被爆しているという事になります。

距離がどれくらい離れていたかはわかりませんが、

「重症」ではないようです。

しかし、きのうリアクター(原子炉)周りで吹き飛ばされて

骨折と報道された方は、この程度では済まされません。

あの外部で観測された放射線量の数倍から数十倍を

短時間で浴びている事が考えられるからです。

防護服を装着して作業をしていても被ばくはします。

作業時間を制限して被爆量を抑えながらの作業です。

完全な鉛遮蔽で作業する事は不可能なので、

作業は非常に危険になります。

外科的に外から見える怪我ではなく、染色体レベル

の怪我になるので報道を鵜呑みにすると誤解を招く事になります。

テレビ各社が断片的に原子力発電のしくみを交えて

この事故を報道していますが、どうも片手落ちの報道に

感じてなりません。沸騰水型原子炉(BWR)の仕組み、

危険回避の機能、それを操作する手順などを事細かに

説明したうえでの報道なら理解できますが、

危険度の重大性も理解できない状況で、
 
情報の垂れ流しを行っているようにしか思えません。

東京消防庁原子力を扱うことのできる

ハイパーレスキュー隊が引き返した事も、この重大性を感じさせます。

命の危険があると判断したかではないでしょうか。

近隣の方は政府の指示範囲以上の圏外へ避難される

事をお勧めします。

この異常事態が危険な方へ進めば、メルトダウンや臨界など

という言葉が飛び交う事態になりかねませんので、

最善の態勢で避難をお考えください。

今回の地震でこのような事が起こる事を想定できた人は誰もいません。

プロセスを非難する前に兎に角安全を優先させて

「命」をお守りください。