ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

検察審査会とマスコミ報道

昨日今日と東京検察審査会の議決がおおげさに報道されています。

昨日の鳩山首相も今日の小沢幹事長の事案も

検察審査会を経験した方なら100%最初からこの

結論をわかっていたと思います。

鳩山さんの場合は捜査段階から「お金」の出処とその犯罪性があるかないか、
 
献金ではなく記載上の事やそれにまつわる責任問題のみを捜査しています。

結局、身内のお金を廻していただけで怪しいお金ではなく

この会計に関わった人の罪だけを問うた事件です。

鳩山さんが関与していたかどうかを立件しうる証拠がないほか、

現行の法律では罪に問えないと検察が判断したものです。

検察審査会はこの検察の捜査資料や証拠をもとに
 
立件可能かも含めて判断します。

事件の流れからして上申書や銀行の入金記録、

検事調書などを精査したうえ議論をしての議決になります。

最初から検察が起訴を目的で捜査するなら、

これ以上の証拠があって当然ですが、

証拠が見つからない以上、法廷での立証が困難である

ということは容易に判断できます。

一方、小沢幹事長の場合は「お金」の性質が全く異なります。

企業からの「闇献金」であり、それに関わった3人が逮捕されると

いう事態に及んでいます。

「悪質」と判断されても仕方のない事案です。

地検特捜部も小沢逮捕を視野に捜査をしていたはずですから、
 
当然それなりの証拠が存在します。

立件を見送ったのは検察上層部の判断ですから

市民感情に近いのは捜査にあたった特捜部の方たちの心情です。

証拠があるのに「立件」でつまずく恐れありと判断した

上層部に対して、検察審査会はこれだけの証拠が

あるのに「なぜ」という判断をしたのでしょう。

検察が再度不起訴にしても審査会も再度「起訴相当」の

議決が出ることは目に見えています。

それにしてもマスコミの報道は異常です。

いままで殆ど関心を示さなかった「検察審査会」に対して、
 
こと政治となるとなぜこんな過敏な反応を示すのでしょうか。

審査会の審議の仕組みを事細かく説明する報道はどこにも見受けられません。

特に今日一番頭に来たのが「週刊朝日」の新聞見出しです。

小沢捜査

検察審査会の判決を斬る

とあり細字で

検察審査会の判断は正しいのか

というふざけた文言を目にしました。

こういった事を書くジャーナリストは、検察審査会制度を全く理解せず

どのような手法で議決しているかも取材していない

礼儀知らずのただの馬鹿にすぎません。

いったい何様のつもりでしょうか。

私を含め検察審査会法施行以来60年の歴史の中で

この機関に関わったすべての国民に対する侮辱に値します。

全国の検察審査会では現行の法律を市民の目から見た

判断で事案を精査し議論をし議決をしています。

そこには反対意見も存在します。

それらをすべて理論的に証拠をもとに検証して筋道を通せる判断に導きます。

その上での多数決です。

「司法の判断」に民意を反映するのが検察審査会制度です。

「正しい」や「間違っている」を判断する場ではありません。