昨日広島で起こった敷き鉄板の落下事故、
二人の方が押しつぶされて亡くなるという痛ましい事故になりました。
トレーラーに積載されていた敷き鉄板、映像で観る限り
5の20といわれる大きさみたいです。
厚みによって重量は変わりますが25ミリで1800キロの重量が
あり32ミリで2300キロになります。
25ミリで20枚積載されていて単純計算で36トン、
道路走行の許可が必要な重量だそうでそちらの方でも捜査対象になっています。
東京やその近郊で現場に搬入する際よく見かけるのは
荷台の外側に支柱を立てる(外に落下しないよう)方法や
サッシ屋さんのように荷台中央部に立てかける形式が
あります。今回の事故のようにあれだけの枚数を積むだけの
方法だと遠心力で外側に36トン以上の力がかかることが
わかります。鉄板が密着していれば鉄の塊ですから、
最下層が動けばひとたまりもありません。
ワイヤーロープは通常荷揚げの場合、三分で1トン程度
の許容限度とされていますが、これは上下に力が掛る場合
であって荷物を押さえる基準ではありません。
ワイヤーの場合はチェーンブロックで締め付けていますが
「伸び」というものが横揺れでは発生します。
これの繰り返しと「角」の部分の断裂で荷崩れが起こります。
プロならこれをわきまえてロープがけをしますが、
今回の事故は「慣れ」が引き起こしたものではないかと考えられます。
素人が考えても、外側に落ちないよう「支柱」を立てる
運送方法を考えるのではないでしょうか。
都内を走る重量物輸送のトラックをみると、
その形態に一種の「凄さ」を感じることさえあります。
それだけ慎重を期して仕事をしています。
この事故を起こした会社は、そのようなことに関して
講習すら行っていなかったのでしょう。
道路運送車両法違反がその表れです。