ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

笹子トンネル崩落事故の原因究明につながらない引き抜き検査

先日の崩落事故を受けてボルトの引き抜き検査を
 
やって事故の原因究明に役立てるということで、
 
今日から作業を開始したみたいですが、
 
やることなすことすべてお役所仕事で意味のないお金の無駄遣いです。
 
40年近く前に施工されたケミカルアンカーの引き抜き
 
検査自体まったく意味がありません。
 
原因はケミカル部分の経年劣化による応力喪失しかありません。
 
このアンカーの施工範囲や強度、耐用年数などは
 
開発メーカーであるなら仕様書に全部うたってあります。
 
その積み重ねで今日施工されているケミカルアンカーが存在します。
 
おそらくメーカーではこのような状況での施工が
 
有効であるとは絶対にうたっていないでしょう。
 
ただ間違いなくあるのは耐用年数です。
 
化学反応を利用して施工するのですから永久に効力がもつわけありません。
 
本質はなぜこのような場所にケミカルアンカーを使用したか
 
という「設計」の考え方そのものが間違っているという結論です。
 
これから始める検査結果は今後の設計にも役に立ちません。
 
40年前のレベルと今のレベルとでは天と地ほどの差があります。
 
結局、こういったパフォーマンスで原因究明をしましたという
 
経過と結果をアピールしたいだけの無駄金遣いの典型です。
 
この程度のことしか考えないから役人というのは進歩がないのです。
 
本題からみんなの目を遠ざける行為そのものです。