ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

南砂の悲しい殺人事件

今朝の報道で、すでにたくさんの方の知るところとなりました

悲しい「殺人事件」が私の地元・南砂で起こってしまいました。

81歳のご主人が82歳の奥さんの首を絞めてしまったという、痛ましい事件です。

ここ南砂町は、昭和30年代から40年代にかけて数多くの都営住宅や

都営アパートと言った団地が建てられた土地です。

戦後の復興期、ベビーブームを経て人口が増え続けたこともあり住むところを

確保するための流れでした。

今回の事件のご夫婦も都営団地にお住まいです。

もともと都営団地は、所得の低い方を対象にした集合住宅という事はご存じだと思います。

収入制限を受け、抽選で入居が決まる仕組みです。

昭和30年代、私の父もこの土地にやってきました。

周りに裕福な家庭などありません、

そんな中で私も生まれ育ち49年になろうとしています。

仕事がうまくいき、お金を貯めた人はこの土地を去って行きました。

そのような層が集まっていたのがこの土地でした。

我が国が戦後復興から高度成長になる時代を、

その原動力となってこられたのが私の父の年代の方たちです。

そういった人たちに対してこの国の社会保障はとても冷たく感じます。

営団地にこの歳まで暮らしているという事は、

国民年金か厚生年金で生計を立てている方であることは間違いないでしょう。

とても有料老人ホームなどには入所できる蓄えもないと思います。

なぜ無料の国家施設が身近に存在しないのでしょうか。

若い時に精いっぱい働いても、余生を安心して送れない、それがこの国の社会保障であり福祉です。

長年連れ添った奥さんの首を絞めなくてはならない状況に追い込んだのは

いったいなんだったのでしょうか。

今この国がやるべきことは、

景気回復でも高速道路を無料にすることでもありません。

安心して余生を送れる社会保障と福祉を確立することです。

景気は世界の流れでどうにでもなります、

高速道路の割引や無料化はある意味差別です。

あれは車で遊ぶ人間だけを対象にした話題作りです。

ボンボン育ちの政治家に、下町の生活は絶対に理解できません。