ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

マイクを通して歌っても・・・歌う土台が失敗です

先月のオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」に引き続き

麻衣が出演するイベントであったので上野の

東京文化会館へ足を運びました。

オペラ歌手がマイクを通して歌うことは、自らの持つ

声量を調整して発声するという面倒くさい手順を踏むこと

になります。

そのため、「歌唱」に関しては最初からなにも期待はしませんでした。

私が危惧したのは、そういった前提に於いて

オーケストラを背負って歌うという舞台背景です。

オペラの場合、肉声を最大限に生かすためにオーケストラは

ステージより低い場所で演奏をします。

今回の場合、そういった配置ではなく歌い手の真後ろに

陣取る形でした。
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普通のコンサートなら会場には必ずミキシングの機械がはいります。

それはマイク音量を殺さないためにアレンジをするためです。

昨日の場合、あの会場には常設で大きなスピーカーは存在しません。

トークをしているマイクも歌っているマイクも同じで、

会場内の常設スピーカーを通して聴こえるのみです。

またご丁寧なことに、オーケストラのところにはそれぞれに

集音マイクまで設置されていました。

こんなもの必要ありません。

ただでさえ声量を押さえた声でしか歌えないのに

わざわざオーケストラの音量を拡大させたら「歌唱」が

飲み込まれてしまうことくらいわかりそうなものです。

案の定、静かな演奏のときにははっきりとした歌声も、

オーケストラの演奏が大きくなると歌声が聴きとれなくなり

声を探すのに苦労する始末です。

あんな聴きづらいコンサ-トは初めてです。

この企画そのものも何の意味もありません。

わざわざクラシックを付けているのは彼女たちが

歌うからにすぎません。

岡 幸二郎 さん自体ミュージカの世界の人ですが

ミュジーカルの舞台で歌ってこそ映える曲をああいった

ステージでピックアップして歌っても普通の歌をうたっている

程度にしか聞こえません。

こういうのを「企画倒れ」といいます。

このコンサートで一つだけ救われたのは

メゾの横関さんの天然ボケだけです。

一人お笑いオンステージで観客を笑わせていました。

彼女の音域だと昨日の選曲が非常に生かされていると感じました。

だた総合的に昨日のステージをみるとお金を払ってまで聴く価値は

ないと思いました。

3人ともよく歌っていましたが、特段変わった歌い方でもなく

普通にマイクを通して歌っているだけにしか聞こえませんでした。

これはすべて舞台装置と構成の失敗に起因するものです。

かなり前に記事で書きましたが、

「オペラ歌手がミュージカルの名曲を歌う」とわざわざ

見出しをつけるイベントがあります。

これもまったく意味のないことです。

オペラとミュージカル、似てるようで全くの別物です。

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