ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

関越自動車道の死亡事故にみる「安全管理」の認識違い

昨日、関越自動車道で起こった「居眠り」による死亡事故、
 
ツアー会社や、バスを運行した会社の「運行管理」や「安全管理意識」において
 
決定的に欠如しているものを報道を通して垣間見る事ができます。
 
当初、ツアー会社の専務が報道陣に語った内容で
 
安全に関してはバス会社に任せてあると言っていましたが、
 
かたやバス会社はツアー会社からワンマンに関しては
 
基準の範囲で問題ないと言っていました。
 
国土交通省の基準では一人のドライバーが運行できる区間
 
670キロと定めているそうです。
 
何の基準で決めたか判りませんが、
 
確かにこの基準内である限り「違反」ではありません。
 
しかしここで「バス会社」として大きな誤りがあります。
 
基準内で運行することと安全運行管理は全く意味の違う事です。
 
似たようなツアーでバスを運行している会社の
 
殆どがツーマン体制で業務をしているのは、それだけ危険があるからです。
 
夜10時に出発して朝6時30分には浦安に到着するというスケジュール、
 
移動距離は500㎞、時間は8時間30分になります。
 
昼間の運転で景色の違いを感じながら走っても
 
2時間を超えると眠気が襲ってきます。
 
乗用車よりゆったりとしたコックピットに居るのですからあたりまえです。
 
今回のバス会社の「安全運行管理規定」とはどのようなものなのか
 
窺い知れるところです。
 
基準内=安全管理をしている ではないのです。
 
今年度からツアー会社にも安全管理責任を問えるようになったそうですが、
 
この両者の間に「安全運行管理」に関する契約書の取り交わしが
 
あったとは思えません。