ギャンブラーの時事放談

事件事故の真相を鋭く斬りこむ現場監督のブログです

岐阜の解体現場死亡事故・・・明らかに人災です

昨日起きてしまった死亡事故、建設業者だけではなく
 
現場に関係するすべての人が一番起こしてはいけない
 
三者災害、時間が経つにつれ「やはり」と思われる
 
事が次々と明らかになりました。
 
本題に入る前に今朝の読売新聞朝刊には、この工場の
 
壁についての記述が鉄筋コンクリートと書いてありましたが
 
あれのどこがRC構造でしょうか。
 
何も調べないで記事にするいい加減な取材です。
 
あの建物の基本的な構造は、鉄骨構造でCチャン下地の
 
横胴縁に壁ラスを張ってモルタル仕上げとした、ごく一般的な
 
工場の仕様です。
 
解体状況を見ていて思ったのは、外部に架かっている足場、
 
あれは木造などの建て方に使用するビケ足場と呼ばれる
 
ハンマー1本で建てることのできる足場。
 
それが良い悪いではなく、
 
どこから控えを取っていたのかと言う事が問題なのです。
 
ビテー足場でパネルを張っていれば足場本体の踏ん張りが
 
もう少しあったと思います。
 
倒れた壁にしても、解体手順を考えれば壁一枚でなぜ内側から
 
やらずワイヤーなりロープなり取っていなかったか、
 
これが一番の問題です。警察の取り調べでなにも
 
やっていなかったことが明らかになりましたが、この会社の
 
事業主が昨日報道各社に対して、
 
週一回の朝礼で安全に対しては注意していたと言っていました。
 
この人の口から「KY」という言葉が出なかった時点で、
 
この会社の規模や安全管理体制がおおよそ掴めました。
 
KY活動が徹底していれば、あのような危険な状態を放置
 
することはまずありません。
 
安全管理重点事項で真っ先に出てくるポイントです。
 
これは起こるべくして起こった人災です。